道しるべになった保護者の言葉
今回から「代表コラム」を始めることにしました。
日々の活動の中で出会った小さな出来事や、忘れられない一言を、私自身の視点でお届けしていきたいと思います。
思い返せば、7〜8年前のことです。ある保護者の方と面談をしていたとき、静かに、でも力強くこう言われました。
「専門家しか使えないツールは意味がないですよね」
その言葉を耳にした瞬間、胸の奥がズキッとしました。
当時の私は、新しい理論やツールを取り入れることに夢中で、どうすれば“より専門的な支援”ができるかに気持ちが偏っていた時期でした。けれど、その保護者の言葉は、そんな私の視野をガラリと変えてくれたのです。
ツールや知識は、家庭や現場で実際に役立ってこそ意味がある。「使う人」が限られてしまえば、いくら立派でも机上の空論になってしまう。
そのシンプルで当たり前のことを、私はあのとき、保護者の視点から改めて教えていただきました。いま振り返っても、その一言は私の仕事を支える道しるべになっています。
支援は、特別な誰かのものではなく、日常の中で息づくもの。
保護者や子どもたち、スタッフみんなが自然に使える工夫こそが大切なのだと、あのときから強く意識するようになりました。
コラムについて
日々の活動の中で出会った出来事や心に残った一言、小さな気づきを綴っていきます。それぞれの立場にとっての学びやヒントになれば嬉しく思います。
著者プロフィール
こどもサポート はるかぜ 代表
保護者や子どもたちと日々向き合いながら、運営や経営の立場からも支援のあり方を考えてきました。これまで、人に話すのもためらうような失敗もあれば、思わず飛び上がるような成功も経験してきました。
そうしたリアルな瞬間や運営の中で見えてくる課題を、できるだけ等身大の言葉でお届けしていきます。
(👉代表あいさつを読む)