秘密のメモ①「1語で伝わる声かけ」
ノートを見返していると、当時書き留めていた小さな「声かけのメモ」が目に入りました。
今となっては自然に使っている言葉ばかりですが、改めて見ると「これ、けっこう効くんだよな」と感じます。
世の中には似たような声かけ本もありますが、ここで紹介するのは現場で試行錯誤してきた実践知です。
だからこそ、効果は高いんじゃないかと思います。
子育てや支援の現場では、「声かけひとつ」で子どもの表情がパッと変わる瞬間があります。
けれどその言葉はマニュアルに載っているわけではなく、日々のやりとりの中から少しずつ育ってきたもの。
この「秘密のメモ」では、そうした言葉を少しずつシェアしていきます。 明日から現場や家庭で試せる“ちょっとしたツール”として役立ててもらえたら嬉しいです。
1語声かけ集
🟢 承認編(できたことを認める)
「いい!」
→ すぐに承認したいときに短く。表情を伴うとより伝わる。
「すごい」
→ 結果よりも「挑戦した姿」に添えると効果的。
「上手」
→ 技術的な成長を認めるときに。過剰に使うと比較の意識になりやすいので注意。
「最高」
→ 達成感を一緒に味わいたいとき。大げさに喜ぶと場が盛り上がる。
🔵 共感編(気持ちを受け止める)
「うん」
→ 子どもの話を最後まで聞きながら、安心感を与える相槌。
「なるほど」
→ 子どもの考えを尊重して「理解しようとしている」ことを示す。
「そうそう」
→ 同意・共感を込める。繰り返すことで「聞いてくれてる」と伝わる。
「へぇ」
→ 驚きや関心を示す。子どもの話に広がりを持たせやすい。
🟠 応援編(挑戦を後押しする)
「おっ!」
→ 小さな挑戦にすぐ反応すると、自信につながる。
「いいぞ!」
→ 続けて取り組んでほしいときの短い後押し。
「やるね」
→ ちょっと大人っぽく認めるニュアンス。仲間扱いとしても使える。
「ナイス」
→ 遊びやスポーツで場を盛り上げながら承認するときにぴったり。
🟣 思いやり編(心の動きを認める)
「素敵」
→ 行動だけでなく「気持ちや心遣い」を認めるときに使うと映える。
「優しい」
→ 他者への思いやりを言葉にする。具体的に「友だちを待ってあげて優しいね」と添えるとより効果的。
「えらい」
→ 小さな努力や継続を認めるとき。ただし連発すると「義務的」になるので注意。
「ありがとう」
→ 行動を認めつつ感謝を返す。自尊感情を大きく育てる声かけ。
🟡 盛り上げ編(場の空気をつくる)
「わぁ」
→ 驚きを一緒に共有。自然な感嘆詞として使える。
「おお」
→ 新しい挑戦や予想外の展開に。声のトーンで雰囲気が変わる。
「いい感じ」
→ プロセスを評価する柔らかい言葉。完成前でも承認できる。
「バッチリ」
→ 仕上げや達成のときに。遊びの場面にも合う。
ポイント
どれも短い言葉ですが、声のトーンや表情でニュアンスが大きく変わるのが面白いところです。
同じ「おっ!」でも、無表情と笑顔ではまったく意味が違います。
短い声かけは、子どもにとって「自分を見てもらえたサイン」になります。
ぜひ、日常の中で気軽に試してみてください。
コラムについて
日々の活動の中で出会った出来事や心に残った一言、小さな気づきを綴っていきます。それぞれの立場にとっての学びやヒントになれば嬉しく思います。
著者プロフィール
こどもサポート はるかぜ 代表
保護者や子どもたちと日々向き合いながら、運営や経営の立場からも支援のあり方を考えてきました。これまで、人に話すのもためらうような失敗もあれば、思わず飛び上がるような成功も経験してきました。
そうしたリアルな瞬間や運営の中で見えてくる課題を、できるだけ等身大の言葉でお届けしていきます。
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