つながりの先にある支援 ― 家庭・学校・地域との対話
支援は、事業所の中だけで完結するものではありません。
家庭や学校、地域の人たちとつながったとき、初めて子どもの「日常の線」がつながっていくのを感じます。
外との“伝わり方”を考える
現場でいくら良い支援ができても、それが家庭や学校に伝わらなければ、子どもにとっては断片的な支援になってしまうことがあります。
たとえば、事業所では落ち着いていた子が、学校では集中できずに困っている。
家庭では穏やかに過ごせているのに、外ではうまく気持ちを切り替えられない。
その間にあるのは「支援のズレ」ではなく、「伝え方のギャップ」かもしれません。
同じ子どもを見ていても、場が違えば見え方が違う――だからこそ、“どう伝えるか”が大事になってきます。
難しさの中にある学び
正直、連携は簡単ではありません。
立場も時間軸も違う人たちが、同じ子どもを中心に言葉を交わすのですから。
学校からの連絡帳を読んで「なるほど」と思うこともあれば、「それは違う」と感じることもあります。
けれど、その“違い”をどう受け取るかで、対話の質は大きく変わります。
意見のズレを「温度の違い」として受けとめる。
その視点を持てると、連携はただの情報交換から、学びの場へと変わっていきます。
“伝える”から“つながる”へ
ある時、学校の先生が言いました。
「家庭とデイで同じ声かけをしてくれたおかげで、子どもが自信を持てたようです」
それを聞いたとき、胸の奥で「支援がつながった」と感じました。
同じ方向を見て、同じ言葉で子どもを支える――その一貫性こそが、安心の循環を生みます。
支援の本質は、専門的な技術だけではなく、
“伝え方”と“受けとめ方”の間にある信頼関係なのかもしれません。
その先に見えるもの
家庭・学校・地域とのつながりは、時に難しさを伴います。
でもその先には、子どもを中心にした「共有の輪」が生まれます。
ひとりの成長を、複数の場が一緒に喜び合える。
その瞬間にこそ、支援が社会とつながる意味を感じるのです。
つながりの輪の中で
支援の連携は「やり取り」ではなく「対話」。
立場を越えて、子どもを中心に語り合える関係づくり。
それが、支援の文化を外に開いていく第一歩になるのだと思います。
コラムについて
日々の活動の中で出会った出来事や心に残った一言、小さな気づきを綴っていきます。それぞれの立場にとっての学びやヒントになれば嬉しく思います。
著者プロフィール
こどもサポート はるかぜ 代表
保護者や子どもたちと日々向き合いながら、運営や経営の立場からも支援のあり方を考えてきました。これまで、人に話すのもためらうような失敗もあれば、思わず飛び上がるような成功も経験してきました。
そうしたリアルな瞬間や運営の中で見えてくる課題を、できるだけ等身大の言葉でお届けしていきます。
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