子どもの「待って」が教えてくれたこと

子どもと関わっていると、ふとした時に「待って」と言われることがあります。

遊びの途中、片づけの前、あるいはスタッフが手を貸そうとしたとき。

大人からすれば「今すぐやればいいのに」と思うような場面でも、子どもは立ち止まり、自分のタイミングを大事にしています。

この「待って」はただのわがままではありません。

やりたいことを整理している、気持ちを追いつかせている、次の動きを準備している――そんなサインでもあります。

その声の裏には、「自分で考えたい」「自分でやりたい」という意思が隠れていることも少なくありません。

実際、少し待つだけで子どもが自分から動き出すことがあります。

時間の見通しが持てる子には「どれくらい?」と聞いてみる。
その後の流れが分かる子には「OK、終わったらきてね」と寄り添う。
切り替えがむずかしい子には、共感の言葉や選択肢をそっと添える。

「できた!」と満足そうに見せてくれるとき、大人が手を出すよりも大きな学びがそこにあると感じます。

私たち大人はつい「効率よく」「スムーズに」と動かしてしまいがちです。
でも、子どもの「待って」に耳を傾けると、その子なりのリズムや考え方が見えてきます。

待つことは簡単なようでいて、とても難しい支援の姿勢です。

最終的に子ども自身が「やりきった」「満足できた」と感じられることが、次の切り替えや挑戦をスムーズにしていくのだと思います。


コラムについて

日々の活動の中で出会った出来事や心に残った一言、小さな気づきを綴っていきます。それぞれの立場にとっての学びやヒントになれば嬉しく思います。

著者プロフィール

こどもサポート はるかぜ 代表 
保護者や子どもたちと日々向き合いながら、運営や経営の立場からも支援のあり方を考えてきました。これまで、人に話すのもためらうような失敗もあれば、思わず飛び上がるような成功も経験してきました。
そうしたリアルな瞬間や運営の中で見えてくる課題を、できるだけ等身大の言葉でお届けしていきます。
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