ルーティンの中で見える成長
子どもと関わっていると、特別なイベントや「大きなできごと」よりも、むしろ毎日の繰り返しの中に成長が顔を出すのを感じます。
たとえば学校から帰ってきて事業所に入るとき。
以前は大人が横に付き添い、声をかけないと一歩が進まなかった子が、いまでは自分からカバンを開けて必要なものを取り出している。
ほんの数十秒の動作かもしれませんが、その流れに気づくと「あ、形になってきたな」とうれしくなる瞬間があります。
ルーティンは単調に見えるかもしれません。
けれど、同じことを重ねるからこそ「できる」が少しずつ根づいていく、その子なりの足場になっていく。
支援の現場でも、特別な取り組みやイベントに目を向けるだけでなく、「毎日の繰り返し」をどう受け止めるかが私たちの支えにもなりますね。
「また今日も同じ場面だな」と思っていたはずが、「もうここまで来たんだ」と気づかされる。
その小さなできごとにどんな意味を見つけるか――
ルーティンの中にこそ、その子の歩んできた軌跡が刻まれている。
そう思うと、単調に見える日々が一つひとつかけがえのない時間に変わっていきます。
この感覚に気づけると、子育てや支援の毎日がずいぶん違った景色になりますよ。
小さなできごとは、日々のルーティンがあるからこそ。 次回は、そのルーティンをつくることについて少し触れたいと思います。
コラムについて
日々の活動の中で出会った出来事や心に残った一言、小さな気づきを綴っていきます。それぞれの立場にとっての学びやヒントになれば嬉しく思います。
著者プロフィール
こどもサポート はるかぜ 代表
保護者や子どもたちと日々向き合いながら、運営や経営の立場からも支援のあり方を考えてきました。これまで、人に話すのもためらうような失敗もあれば、思わず飛び上がるような成功も経験してきました。
そうしたリアルな瞬間や運営の中で見えてくる課題を、できるだけ等身大の言葉でお届けしていきます。
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